「この金額にはチップは含まれていない!+10%払え!」
食事を終え、御代を支払おうとしたら、店員にそう言われました。
場所は、メキシコのカンクンから車で一時間ほど行ったリゾート地プラヤ・デル・カルメン。
「チップは入ってない。10%!」と、
10%に満たないチップを置いて帰ろうとした僕たちに繰り返し迫ってくる店員。
結局ご指定のチップ+αでお支払いしつつも、何とも後味の悪いレストランでした。
なんで金額まで指定されて、チップを払わないといけないのだろう。
このプラヤ・デル・カルメンでの件は極端な例えではありましたが、
メキシコに入ってからチップ請求のプレッシャーがもの凄く強くなりました。
伝票にわざわざ「チップは含まれておりません!」とスタンプが押されてきたり、
机上やレジに「チップをお願いします!」と書いてあったり、
観光地やレストランの入口ではチップのボックスを持った人が立っていたり。
南米にはなく、アメリカでも感じることのないそのプレッシャーになんだか違和感を覚えました。
いくらマナーとはいえ、
チップってそもそもはサービスに対するプラスαの対価であり、
サービスを受ける側の判断によるものだと思っていました。
日本人でも「お心付」として一部ではチップ文化があるものの、日常生活に馴染みはなく、
チップが「常識」の国からすればマナー違反だと言われればそうなのかもしれません。
でもね…
日本のサービスに慣れていると、
海外の『サービス』ってプラスαの対価を支払うような『サービス』とは思えないことも多々あります。
現地在住の日本人に聞くと、
「現地の人やアメリカ人はチップを支払うが、
ヨーロッパの人やアジアの人はチップをあまり支払わない」のだそうです。
チップ文化が根付いている国では、チップを前提とした給料体系になっている場合があります。
メキシコでも、
例えばレジで袋詰めしてくれる人やガソリンスタンドの店員は給料がゼロなのだとか。
そういう人たちにとってチップを支払わない観光客は、
確かに生活を揺るがしかねない存在なのだと思います。
チップが根付いたアメリカに隣接し、アメリカからの旅行者が他の地域よりも多い。
一方で、チップが根付いていないヨーロッパやアジアの旅行者も増えてきている。
それが結果的に、チップへのプレッシャーをうみ出しているのかもしれません。
プラヤデルカルメンだけでなく、
出国直前の空港でもレストランで食事をしクレジットで払おうとすると、
モバイル型の決済機を持ってきて、「チップは10%?15%?」と目の前で迫られる始末。
僕たちもチップ文化をもっと理解して旅しなければなと思う一方、
チップ文化が分かり辛いのも事実で、
金額を指定してくる位ならいっそのこと『サービス料10%』を会計に乗せればいいのに…
と思ってしまうのでした。
チップって、より良いサービスを心掛けるようになる、いい仕組みだなと思うのですが、
当然貰えるものと形骸化してしまっているのを見ると、なんだか残念な気分になります。
チップ文化自体は否定しないけど、
チップ文化は輸出入されたりあまりしないで欲しいなぁと思ったメキシコでした。。
▼参考までにウィキペディア
「チップ」
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