カッパドキアで有名なギョレメ村から、
わたし達は友人と一緒に夜行バスでパムッカレ村にやって来ました。
パムッカレは石灰棚とそこに溜まる温泉が有名な観光地ですが、
それについては改めて投稿します。
そう、このパムッカレ村に着いた早朝、事件は起こったのです・・・。
夜行バスは前日の20時にギョレメ村を出発し、
途中いくつかの街や村を経由しながら、
朝の6時頃だったでしょうか、デニズリという町にやってきました。
親切にもバスのスタッフ(トルコのバスには運転手の他に飲物やお菓子を配ってくれるサービス係がいます!)が
「パムッカレだよね?次で降りて」と寝ていたわたし達を起こしてくれました。
ギョレメで乗車前、運転手から
「デニズリに着いたらセルヴィスに乗ってパムッカレ村まで行くんだよ」と言われていたので、
てっきりオトガル(バスターミナル)に到着するものだと思っていました。
ちなみにセルヴィスというのは、オトガルと街の中心部を結ぶ無料の送迎バスのことです。
バス会社にはそれぞれ専用のセルヴィスがあります。
トルコのオトガルは少し中心から外れているので、
街や村の中心部まで行く(またはその逆)にはこのセルヴィス利用が欠かせません。
ところが降りたのは道路の路肩。
あれ?どこにもバスターミナルっぽい建物がない。
おかしいなーと思いつつも、事前にこういった路肩で降ろされ、
そこからパムッカレ村まで行ったという方のブログも見ていたので、
その方と同じパターンかなと思いました。
路肩にはミニバンが1台停まっていました。
その運転手が「パムッカレ、パムッカレ」と言ってくるし、
バスのスタッフも「これに乗れ」的な感じでした。
運転手に「セルヴィス?」と聞くと「そうだ」と言ってきたので、
一緒に降りた中国人の夫婦ともども乗り込みました。
わたしはなぜか助手席を指定されたのですが、
フロントガラスに何とかツアー(名前忘れました)という看板が出ていたのが少し気になりました。
乗車して20~30分後、パムッカレ村の「ARTEMIS YORUK HOTEL」前で停車しました。
ブログの方もここで降りていたので、この行き方が普通なんだと思いました。
ホテル前には男が1人いました。
てっきりホテルの客引きだと思いました。
この男は「今日はパムッカレに宿泊?日帰りでもここのホテルに荷物置いていっていいよ。
ホテルはどこ?まだチェックイン出来ないからここに荷物置いていいよ。」と
英語で話しかけてきました。
やけに親切で、怪しさ満点です。
実はこのホテルはトラブルが多いとの情報を得ていたのです。
わたし達は安宿をいくつか調べていたのでそこを探そうと思っていました。
ひとまず荷物を下ろし、男をかわしつつ、
「さてどうしよう?次のバスチケットでも調べようかね~」と話していました。
とりあえずすぐ近くにバス会社のメトロがあったし、
周辺の散策ついでに見に行こうと、男が中国人夫婦と話している隙に歩き出しました。
すると突然、その男がやけに上手い日本語で怒鳴ってきたのです!!!!!
(以下、日:わたし達日本人、男:トルコ人)
男 「どこ行くの!?あなた達、ウチのバスで来たんだろう!なんでそっち行くの!?」
日 「この辺散策しに行くんですよ~。(英語)」
男 「日本語でいいから。なんであなた達、私の親切を無視するの!?」
日 「別に、まずは街を散歩しようとしてるだけだよ。」
男 「メトロって聞こえたからな!ウチのバスで来たなら何でウチで買わない?
おかしいでしょ!失礼だろうが!」
はぁーーーーー?
そもそもバス会社を選ぶのこっちの自由だし!!!!!
日 「誰もメトロに行くなんて言ってねえよ。メトロがあるって話しただけ。
日本語分かんないのに、勘違いすんな!」
男 「なら何で、ウチの話を聞かない?
ウチのバスで来たんだからまずウチで話しを聞くのが筋でしょ。」
日 「あの中国人夫婦は普通に行っちゃったじゃん?何でうちらに絡むの!?」
男 「あの人達が行くホテルは私の友達のトコ。だから後ででいいの。」
日 「ってかそもそもお前誰?お前が誰か分かんないんだけど?」
この旅始まって以来2度目の「Who are you!?」
お!!!!!
旦那が吠えました!!!!!
インドを彷彿させます。
ご参照ください。
⇒インド:デリー】ぶれないインドに吠える俺
日 「だいたいあなたホテルの人じゃないの?そもそもバス会社あるなんて知らないし!」
わたし達が歩き出すと、男は追いかけてきてさらに怒鳴ってきます。
男 「チケット買わないならさっきのバス代払え!あれは俺の車だ!1人5TRL!」
日 「は?何言ってんの?あれは無料って確認しているからね!」
男 「違うよ。あれは俺の車だ。5TRL払わなければ、警察呼ぶぞ!
だってあなた達は、ウチのバスの話を聞かない。」
日 「(面倒くさいなー)じゃあ、バスいくらなのよ?」
男 「もうお前らなんかに売やらない!はじめに聞かなかったから。
払え!バス代払え!」
日 「なんでパムッカレまでのバス代払ってきたのにお前に追加で払うんだよ?」
男 「お前らのバスチケットにはデニズリ行としか書いてないよ!
パムッカレとは書いてないでしょ。チケット見せてみろ!」
馬鹿者め!!!!!
チケットには「パムッカレ」と記載してあるわ!!!!!
日 「(チケットを差し出し)ほら見ろよ!パムッカレって書いてあんだろ!」
男はわたし達のチケットをちら見しました。
男 「払わないなら警察、呼ぶからな!」(携帯かけるフリ)
日 「お前がチケット見せろって言ったじゃねーか!あ?」
男 「警察呼ぶ!」
日 「いいよ!じゃあ警察行こう!どこにあんだよ?」
男 「お前ら警察行ったらずっと書類とか書かなくちゃいけないから、
今日一日ダメになるぞ。観光出来なくなるぞ!」
日 「いいよ、俺ら時間あるもん!警察どこだよ!」
わたし達は歩き出しました。
男 「警察に電話かけるから、待て。」
日 「いいよ。警察行くんだろ、行こうよ。こっち?」
男 「お前らみたいな日本人見たことない!」
立ち止まってあからさまに警察に行きたがらない男。
そりゃそうですよね。分が悪いんですから。
旦那 「こっちだって、オメーみたいなトルコ人見たことねーよ!!!!!」
またまた旦那が吠えました!!!!!
ご参照ください。
⇒インド:デリー】ぶれないインドに吠える俺
男 「お前らここから1時間以内に出てけ!ここはトルコだ!俺の国だ。
1時間以内に出ていなかったら殺すぞ!観光も出来ないからな!」
そして友人に駆け寄り、
先に胸をどついてきました!!!!!
「殺す」とは物騒な。この旅で初めて聞いたセリフです。
その時、1人のトルコ人が間に入ってきました。
「どうしたの?何があったの?(ワタシノ)オクサン、ニホンジン。安心して。」
英語とカタコトの日本語を話すこの方こそ、救世主!
バス会社「PAMUKKALE」の事務所のボスです。
オクサン、ニホンジンと聞いてすぐに分かりました。
思わず「ラム子さん?」と尋ねてしまいました。
パムッカレには日本人女性が営業するレストランがあるのです。
そのレストランはこの事務所のすぐ隣にあったので。
ひとまず事務所に避難させてくれました。
すると男も引き下がっていきました。
ちなみに一緒に来た中国人夫婦、ここで次のバスチケ買っていましたけどね。
ボスは他のお客さんを接客中だったにも関わらず助けてくれました。
そして、「ちょっと見てて」とお店のゲストブックを出してきました。
何かな?と思ってのぞいてみると、
日本語や韓国語で同じようなトラブルに遭ったという記載がたくさん!
(韓国語は全く分かりませんが、地図や英単語から同様の記載だと読み取れました。)
ボスが教えてくれたところによると、
何度も同じようなトラブルが起こっているらしいです。
男はクスリをやっているようで狂っているそうです。
数分後、同じように言い争ったという韓国人の男の子が事務所にやって来ました。
宿泊したホテルでも、言い争ったという中国人の女子グループに会いました。
詳細は分かりませんが、色々聞いたところはこんな感じです。
「ARTEMIS YORUK HOTEL」とその目の前にあるバス会社、
さらに旅行代理店「Hermosa Tours」は同系列で、周辺には客引きが何人もいます。
旅行代理店には台湾人の従業員もいて、中国語系のパンフはその人が作っていること。
空ツアーやバスチケットのぼったくりは日常茶飯事。
ホテルに無料で滞在させる代わりにツアー等の押し売りが多い。
購入すると態度がコロッと変わる。
日本在住歴のある男は日本で犯罪歴がある。
レイプ未遂事件も起きている。
とにかく良い話はありませんでした。
残念ながらわたし達は最悪な事態に遭いましたが、
こういったことを知らずにここのホテルやツアーを利用して満足する人ももちろんいると思います。
ホテルをおススメしているブログも見ましたし。
自己評価は様々ですが、事実として記しておきます。
予防策ってなかなかないと思うのですが、
「殺すぞ」とか「観光させないぞ」とか言われても、ちゃんと問題なく観光出来たのでご安心を。
心の準備が一番の予防策です。
色々な国で言われていますが、特に日本人は騙しやすく、
騙されても反論せずにそのままやり過ごすという人が多いそうで、
客引きからすれば格好の餌食だということです。
だから、わたし達が争ったことは日本人にしては珍しいと言われました^^;
ま、1人より2人、2人より3人っていうのが大きかったかもしれませんが。
インドでもそうでしたが、妙に日本語が上手な客引きは本当に要注意ですね。
その後わたし達はボスの兄弟が経営するホテルを紹介してもらい、
無事にチェックインすることが出来ました。
(事前に調べていた安宿の一つだったので良かったです!)
長文になってしまいました。
これからパムッカレ村に行かれる方は十分注意してください!
P.S.
バス会社「PAMUKKALE」事務所のボスの奥さんは、
「ラム子の食堂」というアジア料理を中心としたレストランを営業していらっしゃいます。
ちなみにラム子という名前は、以前飼っていた羊から取ったそうです。
ケバブに飽きてきた頃だったので、久々のアジア料理はとても美味しかったです!
1泊2日の滞在中、3回通ったので色々とサービスしてくださいました。
ありがとうございました!
<参考>
■ギョレメからパムッカレまでのバス
-ギョレメ社にて当日の午前中に購入
-料金55TRL/人
-3人バラバラの席、そしてイスラム教により男女別の席
-トルコの犠牲祭に重なってしまい、メトロ社やスーハ社は数日先まで売り切れだった
-20時出発、翌朝6時頃デニズリ着
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