キューバにはカサ・パルティクラル(CASA PARTICULAR)と呼ばれる宿泊施設があります。
一般的なホテルとは違い、キューバ国民の部屋を貸してもらうことです。
政府に許可をされている家のみがカサを営むことが出来るのです。
認可されているカサには、家の外壁等にこんなマークがあります。
部屋を貸すと言ってもその形態は様々です。
・家族の部屋の横にあり、玄関も一緒のもの
・違う階にあり、玄関は別にあるもの
・ペントハウスのように屋上にあるもの ・・・etc
バックパッカーのわたし達はもちろん、各地のカサに泊まってきました。
どこのカサも室内は綺麗に整えられていて、
専用のシャワー/トイレが付いていたりと、ホテルと大して変わりませんでした。
▼夜な夜な夜風に当たりながら、まったりラム酒を飲んだテラス@バラコア
◎キューバ家庭料理が食べられる
ホテルと違うのは食事ですかね。
カサによっては朝食や夕食が料金に含まれていたり、別料金で食べることが出来ます。
キューバは観光業に注力しているので、レストランはたくさんあります。
しかし、どこのレストランも観光地価格なので、そこまで安くはありません。
街にはCUP払いの屋台や小さな食堂はありますが、
美味しそうなレストランはなかなか見つかりません。
何かの情報でこんなことを知りました。
カサで食事した方が、家族の機嫌がいいと・・・。
確かにですね、CUPで生活するのが基本のキューバ国民からすれば
1回の宿泊、食事で大量のCUCが手に入る訳です。
なので、別料金の場合、大半は食事はどうするのか聞かれます。
中にはウチで食べるの当たり前でしょ、の如く自動的に用意されることも・・・。
しかし、その辺の観光レストランで食べるよりは安いし、量もそれなりだし、
まして各家庭で味も材料も異なるし、結構美味しいのです!
結果、わたし達はカサに食事をお願いすることが多かったです。
ちなみに朝食は3CUC/人、夕食は5~7CUCが相場でした。
▼絶品だったサカナのココナッツ煮込み@バラコア(伝統料理だそう)
◎壮絶な客引き
とにかくすごいです!!!
特に凄まじかったのは、予約しないで行ったトリニダー。
今思い出すと笑えますが、その時の様子は忘れられません。
バスがターミナルに到着する前から、客引きがいることはすぐに分かりました。
室内写真を貼った手作りのボートを片手に、客引きが道端にたむろしていたからです。
トリニダーでの予算は、1人10CUCぐらいかなと思っていましたが、
通りすがりにチラッと見えたボードには5CUCの文字が!
予算より安くなるかも~♪と期待しつつバスを降りました。
出口に向かうや否や、
10人ぐらいの客引き(主におばちゃん)が一斉にアピール!!!
「レディ、ウチでいいでしょ?!!」
「ウチはこんなにお洒落で綺麗なのよ!!」
「ほら中心地にあるでしょ、地図見て!!」
「1人たったの5CUC(≒500円)でいいわよ!!」
「ウチなんかエアコンも付いているんだから!!」
こんな感じで、それぞれがボードを手に迫ってくるのです。
しかも全員が5CUCと言ってくる!!!
あるおばちゃんは、両手いっぱいに広げたボードで
わたし達が他のボードを見ないように視界を遮ります。
あるおばちゃんは、「イエス?イエス?イエス?」と傍を離れません。
まるで脅迫w
どうやら少しでも首を縦に振ろうならば、その客引きの餌食になるみたいです。
そして、存在感がほとんどない男性の客引きが、おばちゃん勢の隙間から
「マダム、ウチはこんなに素晴らしいんだよ」と囁いてきます。
さらには、近くにいる自転車タクシーのおじちゃんから
「マヨール広場まで乗せていくかい?」とのお誘い。
写真を見る限りはどこも綺麗で過ごし良さそう。
収拾がつかないので、「朝食込ですか?」と尋ねると、
全員から「イエス!!」との回答。
2人で相談する間もなく、それぞれが取り囲まれていたので
一旦、ターミナルの中へ退却。
ターミナル内には客引きは入ってこれないルールがあるみたいです。
それでもターミナル内に徐々に侵入してくるので、職員も困り顔。
思い切って値下げ交渉してみようかとも思いましたが、
きっと全部のカサが応じそうなので、
ここはあまり押し付けがましくなかった1人のおばちゃんについていくことに。
1人に絞ると、あれだけしつこかった客引きが一気に静かになりました。
ちなみにトリニダーでは3軒に1軒ぐらいの勢いで、たくさんのカサマークを見ました。
残念ながら、この様子を写真に撮れなかったので、バラコアの客引きの様子を。
▼迎えの人も客引きもバスターミナル内には入ってこれないので一直線
◎カサの繋がり
トリニダー、サンティアゴ・デ・クーバ、バラコアの3軒は
同じ一族が営んでいるカサにお世話になりました。
それぞれ順に紹介してもらったのです。
予めカサ同士で連絡を取ってくれるので、
迎えもあるし、他の客引きに捉まらなくていいのが利点です。
このように家族経営だったり、仲良し同士は連携しているので
次の街に行く時にはおすすめのカサを聞いておくのもいいかもしれません。
◎CUC獲得で得られる豊かさ
カサを営んでいる家は、建物の外観もしっかりしているし、
きちんとした調度品が置いているところが多かったです。
認可を受けているからには、もちろんそれなりの家が多いのでしょうが、
普通の生活を送っている人に比べて多くのCUCを得ることが出来ます。
自ずと生活も潤うだろうなというのが実感です。
中には、キューバで高価品と思われるパソコンを所有している家も何軒かありました。
ネット環境があまり整っていないキューバにおいて、なんだか不思議な光景でした。
◎カサをおすすめします
キューバ人の生活も垣間見れるし、家庭料理も味わえるし、
そして何よりキューバ人とコミュニケーションがとれます。
◎最後に
カサは数年前からその数が増加中のようです。
カサだけでなく、闇タクシーや偽物の葉巻売りが存在したり、
観光レストランまでもが他国に比べて盛んに客引きをしているのがキューバの現状です。
旅中に出逢った人が言っていました。
「キューバは中米のインドだよ。」
うーん、確かに否定出来ない。。。
これから、この国がインドを超える勢いにならないかどうかが心配です。
コメント